もりおか近郊自然歩道　鳥暦

キツツキ科。留鳥。全長23.5cm。山地の森林に生息し，秋から冬にかけては住宅地付近の雑木林や公園の緑地でも見られる。羽の白い斑点と下腹部の赤色が特徴。雑食性で，樹皮にいる昆虫をくちばしでつついて捕食するほか，木の実なども食べる。

カラス科。留鳥または漂鳥。全長33cm。翼に青い羽を持つ葡萄色の鳥。「ジェイ，ジェーイ」としわがれた声で鳴く。クヌギやナラの実を集め，冬への蓄えをする越冬組と，晩秋の頃に食料を求め南に移動する南下組に分かれる。

カワセミ科。留鳥。全長17cm。水辺を代表する，青い宝石のような小鳥である。俳句では翡翠の名で親しまれ，新緑の水辺にいる涼しさを賞して夏の季語とされる。1960年代頃までは市内の河川や湖沼でよく見かけられた。ときおり高松の池などに姿を見せる。

ヒタキ科。漂鳥。全長10cm。秋になると山地の針葉樹を降りてくる。シジュウカラなどと行動を共にすることが多く，低い山や平地の針葉樹の林で越冬する。頭頂部には，菊の花弁を乗せたような黄色い羽毛がある。「リー　リー　チリリ･･･」と鈴を振るような細い声で鳴く。

ハト科。留鳥。全長33cm。春めいた日差しの日などに「テデ　ポーポー」と泣いている姿を見かける。一般にヤマバトと呼ばれ，羽毛は淡い葡萄色。飛び立つ姿はダイナミックで力強く，タカ類に見誤るほど。餌台にヒエやアワを入れておくと，何時間もいて食べたり昼寝したりする様子を見ることができる。

シジュウカラ科。留鳥。全長14.5cm。広葉樹の林にすむ野鳥の代表格。現在は都市部の公園などでも見られる。森林の虫が主食であるが，ヒマワリの種やピーナッツなども好んで食べる。庭に餌台を出すと，常連となることも多い。

アトリ科。漂鳥。全長18.5cm。太いくちばしと大きい頭が特徴的な，ずんぐりとした褐色の鳥。単独か小群で生活し，イチイやカエデなどの実をついばむ。羽を休めたときの風切羽の重なりと青黒色の光沢が美しい鳥。鳴き声は「チキン　チキン　ツィー」

ミソサザイ科。留鳥または漂鳥。全長10.5cm。褐色と黒に近い暗褐色の縞模様を持つとても小さな鳥。冬場，沢筋の茂みなどに潜み，クモなどを食べながら春を待つ。山麓の人家の庭先によく姿を見せ，繁殖期にはブナ林や高山帯まで上る。囀りは高い調子の早口で「チョロロロ･･･」。

モズ科。留鳥または漂鳥。全長20cm。雄の黒い過眼線が特徴的。虫などの餌を，小枝やトゲに刺しておく「モズのはやにえ」と呼ばれる習性がある。秋に聞こえる「キィー　キィー　キチキチ　キュン　キュン･･･」という鳴き声は，なわばり宣言の声。

シジュウカラ科。留鳥。全長14cm。よく茂った広葉樹林に生息する。秋には，「コツ　コツ　コツ　トン　トン･･･」と，ハクウンボクやエゴノキの実を割るリズミカルな音の中に，連れ合いや大きく育った若鳥たちと交わす「シーシーシー」という連絡声を聞くことができる。

カワセミ科。留鳥。全長38cm。カワセミの仲間の中では国内最大の鳥。山地の渓流に生息し，イワナなどを捕食する。大きな冠羽が特徴。

キジ科。留鳥。全長125cm（雄の場合）。長い尾を持つ深山の留鳥。あまり鳴かずに，翼を打ち合わせたり，地面を打って「ボトボト･･･」という音を出して友鳥を呼ぶ。（「ヤマドリのほろ打ち」と呼ばれる。）

ウグイス科。漂鳥。全長15.5cm。「ホーホケキョ･･･」と鳴く声は春の訪れを感じさせる。ヤブ鳥の典型とも言える鳥で，ササなどのある林に多く見られ，盛岡では通常3月下旬頃から11月にかけて生息する。

ウグイス科。夏鳥。全長18～19cm。スズメよりも大きく，上面が淡褐色で下面も淡い色をしている。5月初旬に飛来して，中津川や高松の池，簗川などの水辺の芦原に生息。「ギョギョシ，ギョギョシ」「ケケスケケス，カィカィシ」と鳴く。

ヒタキ科。夏鳥。全長16.5cm。「ピールリ，ホイヒー，ピピ･･･」と鳴く。渓流沿いの林に生息し，光沢のある鮮やかな暗青色の姿は，光の加減ではエメラルドブルーに輝く。

カッコウ科。夏鳥。全長35cm。独特の鳴き声で知られているが，姿は地味。モズやオオヨシキリなどの巣に卵を産み，仮親に雛を孵させる鳥として有名。ほかの野鳥が食べない大型の毛虫を捕食するため，農業等で有益な鳥としても知られている。郊外の水田地帯や北上山地の草原などに多数生息。

セキレイ科。漂鳥。全長20cm。北関東で冬を過ごし，3月半ばに飛来して，9月下旬頃まで盛岡で生息する。中津川や簗川などの水辺で，カワゲラやカゲロウを捕らえる姿が見られる。石垣の隙間などに巣を作る。鳴き声は「スィ，スィ，スィ。チョ，チョ，チョ，チョ。ツィ，ツィ，ツィ。」

ヒタキ科。夏鳥。全長14cm。雄は体の上面が黒，下面が橙色で黄色の眉がある。5月頃から新緑の中津川，簗川上流などの低山～山地帯にかけての広葉樹林に飛来する。「ポーピッピロロ･･･ピッピキピ」と明るい声で鳴く。

ツグミ科。夏鳥。全長21.5cm。山麓のコナラ林やスギ木立から聞こえる，「キョロィ，キョロィ，キョコキョコ，コケェコ」と長く続く囀りは，日本の鳴禽類の中でも，最も変化に富んだもの。オオルリ，カッコウなどとともに，東南アジアなどの越冬地から4月頃飛来してく。盛岡方言では「コッケイ」と呼ばれる。

ヒタキ科。夏鳥。全長13cm。スズメよりやや小さい灰褐色の地味な鳥。大きな目がチャームポイント。広葉樹の林の中で，近くを飛んでいる虫をパッと飛んで捕まえ，また元の留まり場に戻る姿が見られる。

ウグイス科。夏鳥。全長12.5cm。ウグイスに似て緑色がかった小鳥。眉斑（びはん。眉の模様のこと）がはっきりしている。郊外の下生えの豊富な広葉樹林で繁殖する。4月下旬から北上し，市街地でもよく囀りが聞かれる。「焼酎一杯ぐいー」という聞きなしで知られる。

ホトトギス科。夏鳥。全長27.5cm。甲高く「テッペンカケタカ･･･」の鳴き声を繰り返しながら飛ぶ，細身の鳥。ヒヨドリとほぼ同じ大きさ。中津川の上流や岩手山麓などの梢でよく見かける。ウグイスやアオジなどが生息する郊外の住宅地にもよく飛来する。

ヒタキ科。夏鳥。全長10.5cm。4月頃，丘陵地や低山帯に渡ってくる。尻上がりに「シシシ･･･」と鳴く虫にも似た鳴き方が，薮に降る雨の様子を連想させることから，この名前がついたと言われている。

ガンカモ科。留鳥または漂鳥。全長45cm。冬や早春に，御所湖や四十四田ダムなどでカモの群れによく小群が混じっているのを見かける。雄は紫，橙，白と美しい色彩の羽毛，雌は灰色っぽく，目の周囲の白いのが特徴。

ヒタキ科。冬鳥。全長14cm。盛岡に初雪が来る頃に飛来することから，「ユキビタキ」との地方名がある。頭部は雄では白く，雪を被ったイメージにつながる。山麓の林などにいて，郊外の農家や団地の庭先に訪れる。ウメモドキ，ピラカンサなどの実が好物。

ツグミ科。冬鳥。全長24cm。雪景色の中で背面の茶と腹面の白と黒の配色が美しい代表的冬鳥。中津川上流地帯の高地には，10月頃に飛来し，ナナカマドやズミなどに群れているのが見られる。正月頃から低地でも見られるようになり，早春には公園の芝生などにやってきて，餌をついばむ姿が見られる。

ガンカモ科。冬鳥または漂鳥。全長64cm。8月下旬頃から御所湖，四十四田ダム，北上川などに多数飛来する。秋の深まりとともに，雄の青首が鮮やかさを増していき，黄色のくちばしと鮮やかなコントラストを構成する。

アトリ科。冬鳥。全長12.5cm。スギやハンノキの林の中で見かける，緑黄色で頭の黒い小鳥。「チュイーン　チュイーン」と上空を移動中によく鳴き交わす。通常15羽ほどの小群であるが，晩秋や春の移動期には，100羽ほどの群れに出会うこともある。