生活の中から見てみよう
わたしたちの生活の中で,取り立てて贅沢というほどではない「チョット便利」「チョット気持ちいい」ことの「ウラ」には,多くのエネルギーの浪費があります。できることから,少しずつ見直してみませんか?
テレビ
見ていないのにテレビをつけたままにしていませんか?見たい番組をチェックして,その番組だけを見るようにしましょう。
また,テレビは画面が大きくなったり多機能になると消費電力も増加します。使用目的やお部屋の大きさに合ったタイプを選びましょう。
1日1時間テレビを見る時間を減らすと,年間で電気消費量41キロワット時,940円の削減になります。(原油換算で約10リットル,CO2換算で約4キログラム)
掃除機
掃除機はスイッチの入った瞬間に大きな電力がかかるので,スイッチのオン,オフを繰り返すと消費電力が増えてしまいます。部屋を前もって片づけておいて,一気に掃除機をかけてしまうのが賢明です。
掃除機のフィルターや集塵パックにほこりやごみがたまったままだと,吸い込む力が低下しモーターに負担がかかります。フィルターや集塵パックはこまめに掃除しましょう。
パックにゴミが詰まった状態と比較すると,空パックの場合,年間で電気消費量1.57キロワット時,40円 の削減になります。(原油換算で約0.37リットル,CO2換算で約0.6キログラム)
冷蔵庫
庫内に食品を詰め込み過ぎると冷気の循環が悪くなり4%~5%余分に電力を消費しますし,物を探すのに時間がかかって冷気が逃げてしまいます。冷蔵庫で冷やさなくてもいいものを確認しましょう。
詰め込んだ場合と比較すると,整理した場合では,年間で電気消費量 68キロワット時,1570円 の削減になります。(原油換算で約17リットル,CO2換算で約7キログラム)
直射日光や暖房,コンロの熱で周りの温度が上がると電力を余計に消費します。風通しよく,周囲に適度な隙間を開けましょう。正しく設置すればずっと省エネが続く,簡単で効果の高い方法です。
壁に密着させた場合と比較すると,カタログ推奨基準で設置した場合では,年間で電気消費量54キロワット時,1230円の削減になります。(原油換算で約13リットル,CO2換算で約5キログラム)
トイレ
トイレの便座ヒーターは意外に電気を消費します。外出時は電源を切るようにしましょう。
また,使用しない場合は便座のフタを閉じると消費電力を抑えられます。
フタを開けっぱなしの場合と比較すると閉めた場合,年間で電気使用量49キロワット時,1120円の削減になります。(原油換算で約12リットル,CO2換算で約5キログラム)
電気ポット
電気ポットでの長時間の保温はせず,再度沸騰させるようにしましょう。また,サイズが大きいほど消費電力は大きくなりますので,自分に合ったサイズを選びましょう。
水(2.2リットル)を沸かして,保温(6時間)する場合と比較すると,再沸騰させる場合は,年間で電気使用量107キロワット時,2470円削減されます。(原油換算で約26リットル,CO2換算で約11キログラム)
コタツ,電気カーペット
部屋が暖かいときや,からだが暖まってきたら,コタツの温度を低めに切り換えましょう。また,電気カーペットは一人のときは部分暖房に切り換えましょう。こたつの温度設定を「強」から「中」にした場合,年間で電気使用量49キロワット時,1130円の削減になります。電気カーペットを3畳から2畳に替えた場合,年間で電気使用量90キロワット時,2070円の削減になります。
エアコン
設定温度を適温にしましょう。冷房時は28度,暖房時は20度が目安です。また,暑いときは上着1枚脱ぎ,寒いときは1枚着込むなど服での調節を行うようにしましょう。
冷房の設定温度を27度から28度にした場合,年間で電気使用量16キロワット時,380円の削減になります。暖房の設定温度を21度から20度にした場合,年間で電気使用量71キロワット時,1640円の削減になります。
エアコンのフィルターにほこりが詰まると空気の流れが減少してファンを動かす電力が増加し,冷暖房効率が低下します。1日8時間~10時間運転すると約2週間で風量が5%ほど低下します。月に1回か2回は清掃しましょう。
フィルターの目詰まりを清掃した場合,年間で電気使用量2キロワット時,40円の削減になります。
コンセント
テレビ,ビデオ,CDプレーヤーは,リモコンでスイッチをOFFにした後も,「待機電力」によってエネルギーが消費されています。家庭で消費する電力の約1割が待機電力に使われています。長時間使わないときや就寝時には,主電源を切るか,コンセントを抜きましょう。
洗濯機
いれ過ぎると汚れの落ちも悪くなり電気のムダ,少な過ぎても電気と水のムダ。容量の80%ぐらいで洗濯するのが一番効率的です。
お風呂のお湯は,夏ならひと晩たっても25度くらいあります。このお湯は捨てずに洗濯に使いましょう。お湯は水より洗浄力が強く,洗剤も溶けやすいので少ない量ですみます。
台所での節水,水の汚れ防止
食器を洗うときや歯磨き,洗顔のときなども水の出しっぱなしはせずに溜めて使うようにしましょう。
3分間蛇口(13ミリメートル管)を開けっ放しにした場合,水道水54リットルが無駄になります。
炒めものに使う油の量は,炒め煮,ソテー,焼き飯は材料の5%程度。中華風の炒めものは8%~10%が目安です。過剰に油を使用しないよう心がけましょう。
使用済みの油を,そのまま流しに捨てないようにしましょう。河川を汚す原因になります。新聞紙や凝固剤に吸わせて,可燃ごみとして処分しましょう。
食品 | 捨てる量 | 魚が住める水にするのに要する水量 |
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天ぷら油 | 40ミリリットル | 1万2000リットル |
コーンスープ | 180cc | 4600リットル |
おでんの汁 | 200cc | 4000リットル |
ラーメンの汁 | 300cc | 1600リットル |
米(とぎ汁) | 3カップ | 1600リットル |
味噌汁 | 180cc | 1400リットル |
ビール | コップ1杯 | 3000リットル |
牛乳 | コップ1杯 | 2800リットル |
ジュース | コップ1杯 | 2800リットル |
【水環境フォーラム2003 記録集 より】
水質汚濁につながるものはたくさんあります。そのまま流しに流さないようにしましょう。例えば米のとぎ汁は植物の水やりに使うなど下水に流さないように工夫しましょう。
自動車
人待ちや荷下ろしのときなど,自動車をしばらく停止するときのエンジンの掛けっぱなしはエネルギーの無駄です。エンジンストップしましょう。「アイドリング・ストップ」は大気汚染防止や騒音・悪臭の防止などにもつながります。
また,不要な荷物の積みっぱなしは燃費が悪くなるのでやめましょう。
40キロメートル走行毎に1回,5分間のアイドリングをやめた場合,年間でガソリン16リットル,1710円の削減になります。(原油換算で約15リットル,CO2換算で約10キログラム)
食べ物
同じ食べ物でも,私たちが食べるまでに消費されるエネルギーは違います。例えば,ハウス野菜は,ハウスの温度管理のために,露地野菜よりも多くのエネルギーを必要とします。また,遠洋でとれた冷凍魚は輸送のために近海ものの魚より多量にエネルギーを浪費します。
ハウス栽培のエネルギー使用量割合を見ると,トマトでは,温度管理にかかるエネルギーが全体の95.1%,キュウリでは,全体の97.1%も占めている。
そこで,生鮮食品では,育成,採取,輸送にかかるエネルギーの少ない旬で地場の食品を利用することがCO2の削減につながるのです。野菜などは旬のものの方が栄養価が高く,健康にも良いと言われています。
野菜の旬を覚えて体と地球を健康にしましょう。
- 春:タマネギ,ダイコン
- 夏:カボチャ,レタス
- 秋:ニンジン,ジャガイモ
- 冬:ハクサイ,セロリ
生活用品
スーパーなどでお買い物をするときは,買い物袋を持参してレジ袋は断りましょう。一枚の袋でも積み重なると大量のごみのもとになります。
シャンプーや洗剤は詰め替え用を利用しましょう。容器を買わなければその分ごみになる量が少なくなり,環境への負荷が減ることになります。
ビール,酒はビールビン,一升ビンなど繰り返し使える容器のものを購入し,使用後は販売店に返却しましょう。ビールビンは年間約60億本使用され,そのうち約93%が回収され12回程度使用されるリサイクルの優等生です。
子供用のノートや文房具などは再生紙のものを使いましょう。
環境ラベルなどが表示されているものは環境にやさしい商品です。購入するときは意識的に環境ラベルのついている商品を選びましょう。
トイレットペーパーやティッシュペーパーは使いすぎないように,またできるだけ再生紙利用のものを使いましょう。紙の無駄使いをなくすことが森林資源の保護につながります。森林は二酸化炭素の吸収源でもあり大切な資源です。
(注)数値の出典:財団法人 省エネルギーセンター